とにかく、「それ」は激しく燃え上がったらしい。
彼女の表現によれば、「筆舌に尽くしがたい」燃え方で。
発車間際に飛び乗った急行電車。
既にその話は始まっていたから、一体全体何がそんなに激しく燃え上がったのかがわからない。
満員電車だし、動きも取れないし、会話は自然に耳に入ってくるし。
ライターで火をつけたの、きゃはははっ。
ライターで火をつけることが面白くて、予想外に激しく燃えるもの、うーん、何だろうね。
そのうちにお香の話になった。三角すいのお香は、「それ」とは違って火がつかないことが話題。
各頂点にチャッカマンで火をつけてみたが、「炭になるだけ」だったって。
それも面白いみたい。
7分経過。いよいよ話が戻ってきた。おーいよいよ「それ」の正体判明か?
本当に「筆舌に尽くしがたい」んだろうね、頼むよ。
正直、私は飽きてきていたが、再度聞き耳を・・・。